風起つ丘に午後を告げる時計塔
ウミネコは啼いて高く、遠く。
この景色をどれだけ錠剤に変えて
飲み干せば楽になるの?と少女

泣いてたんだ。


葡萄酒とパンをキャスケットに詰め
明日の天気を月で詠んだ
不変/普遍的なモノなど在りはしないから
この世界は綺麗だと言った。
いつか大人になる日が来たら
その全てが色彩を失って
モノクロで綴られた短編映画に姿を変えるんだ。

その声が在る距離で
熱を増すこの喉で
か細い言葉はあの雲と同じ
曖昧で不透明なまま─。


その指であの空を切り取る仕草は もうやめなよって君は笑った。

時には泣いてみたり
怒ったりしてさ
君が僕に教えてくれた

いつか永眠りつく その時は
シワだらけに変わったその手のひらを
このシワだらけの手のひらで
今日と同じ強さで ギュッと握るんだ。


今 僕が笑うのは
明日 君が笑える様に
僕はただ強くそれを願うけど
天上で誰かが嘲笑う。

『グライダーは僕らの頭上を越えて、
咲く花を巻き上げて 空へと帰って─。』

今 君が笑うのは
明日 僕が笑える様に
よそ見も出来ない加速度の空は
まるでホリゾント。

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