時計台には今日も陽が昇り、デジャヴのように飛び込んでくる風景。
時計の針は今日も動かない。
同じ場所を指したままだった。

机上で幸福論を唱えても世界は変わらない。
そうして皆、歳を重ねた。尊びと蔑みを繰り返してさ。

「残酷にも不平等に与えられた今」を生きる、僕たちは。

「あなたの前に道は無くてあなたの後ろに道が出来る」
君はそう言って瞼を閉じる。人々の刻んだ足跡を辿って。

時計台には今日も陽が昇り、誇り高い姿のままで小さい影を作る。


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