今も昔も風車 風に流されて甘い雲
かじる林檎の目に染みて 空に消えた打ち上げ花火
「池で鯉が跳ねた。夜に鯉が跳ねた
月で口が滑って、『後ろの正面だぁれ?』」
ここ何年昨日までの君が優しすぎて
今日のこの空の青さがやたらと辛くて
無邪気に咲いてた赤い花 垣根の垣根の曲がり角
すらりとうなじに後れ毛で 眩しかった浴衣姿
同じ顔した白きつね 背中に背負って下駄の音
濃いめの香りに気を取られ 何時か見てた菊人形
「池で鯉が跳ねた。夜に鯉が跳ねた
月で口が滑って、『後ろの正面だぁれ?』」
ここ何年昨日までの君が優しすぎて
今日のこの空の青さがやたらと辛くて
「良い日が来るさ。」と赤い花 泪の代わりに花弁が
つがいの金魚がくちづけて 広く感じた僕の部屋
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