命が無くなれば人は 土と化し記憶さえも
風の中溶け込む様に 届かぬ場所へと還る

漆黒の闇の中 一人その足元を揺らし
駆け巡る想いだけ 空に宙に吸い込まれ消えた

ここから見下ろした 鬼の街はとても黒すぎて
遠のく意識さえ 赤い火の粉飛ばし消え失せてく

袖を掴んで 廻る私を 貴方が止めて
優しく抱き締めてほしい

響き渡る泣声 冷えたこの手の平にはもう
貴方への想いさえ 掴む事も許されぬまま

おぼろげな月明かり 腕をのばす術さえもなく
刹ないこの命を 雲に映しはかなげに落ちた

貴方の生きてきた 鬼の街はとても寂しくて
果てない痛みから 遠く遠く遠く逃げたくて

私の生きてきた 鬼の街はとても寂しくて
果てない痛みから 遠く遠く遠く逃げたくて
貴方を下に見て 私一人陰を抱いて眠る

あの丘から景色は 吸い込まれそうな天空に
暗黒の俗世を分けた 私を取り巻く桜が舞う

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