そう私を見つめる瞳に
もしも恋しさが潜むなら
目を伏せずに受け止めたこと
限りなく優しい罪となる

いくつも儚い夢
越えてきたの
最後にあなたの元で
目覚めていいの?

なぜ人は魅かれ合い
触れずにはいられないの
月の届かぬ夜も
ひとり過ぎてきたのに

鱗粉の毒を撒き
舞うことを止めぬ蝶は
天の川に身を投げて
生まれ変われることも
望まない

いま私を見つめる瞳に
いつか憎しみが宿るなら
あなたの眼は光を束ね
このからだ焼き殺せるでしょう

探すのを止めるのは
早いわ 愛を
私はまだそれを
大事に持っている

なぜ人は出逢いから
運命を選び取るの
慄える淡い羽を
そっと授かるように

生きることはただ死に
向かうための旅だから
哀しみに気づかぬまま
微笑むときを永遠だと
思って

なぜ人は睦み合い
かたく手をつなぎ合うの
本当は弱いから
幸せを求めるの?

満開の花の中
迷い込んでいく蝶は
薄墨の風に抱かれ
花びらとなって
土へと埋もれる

なぜ人は出逢いから
運命を選び取るの
慄える淡い羽を
握り潰すみたいに

生きることがただ死に
向かうための旅ならば
ふたりが生きる行方が
ひとつの死になることを
願うだけ


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