はるかな遠い昔
この手は翼でなく
双つの剣で

草いきれの褥で
僕らは獣のように
息を殺してた

いま孤独と虚無の中で
騒ぎ滾る血をいかにしよう
本当の強さ欲しいと願えば
導かれるのか

いざ行かん甲冑の鋼を照り返し
つわものどもが夢の跡を
心を覆いつくす盾を取り払えよ
見えない国境はすぐそこに

地獄の底から声がきこえても
“まだまだ夜明けは遠かろう”

触れ得ぬ星の屑
希望の輝きは
一夜に消えども

永遠なる明日はいづこ
瞬間刹那の時
つなぎ永劫を

どこに畏怖も畏敬もなく
生きる空しさをなんとしよう
真の優しさ安逸の揺り籠に
育ちはしない

いざ駆けよ漆黒の荒馬嘶いて
雄々しき國の末裔たち
張り巡らされた高き柵を飛び越えよ
まだ見ぬ世界は果てしない

天の彼方から歌が降り注ぐ
帝の恩恵をその背に

いざ行かん甲冑の鋼を照り返し
もののふたちが辿りし道
その想い封じ込める楔を外せよ
ぬかる足跡も乾くだろう

いざ駆けよ漆黒の荒馬嘶いて
麗しき國の先駆者たち
終わりなき戦いに投じる御身へと
誠の魂宿るまで

もうひとりの自分が僕に声かける
“ここからすべてが始まる”


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