―――気がつくと一人きり冷えきった壁の中で、巡る時の流れにただ震えて居ました。
側に居た貴方はいつの間にか居なくなっていて、闇に貴方を探しに行きました。

『ねぇママ、どこに居るの?僕はもう、必要ないのかな…?』

思い出を巡り
深く闇の中彷徨って
薄れて逝く影を
泣きながら探す幼い
『迷子…?』

―――約束のあの場所に【僕】が辿り着くと、其処には氷の中で微笑む【貴方】が居て。

『ねぇママ、出てきてくれないの?僕は、もうずっと独りなの…』
『やっと見つけた居場所なのに…。もう、離れるなんて嫌だよ。離さないで!』

思い出を描き
氷の中の貴方を見つめよう
届かない愛を
叫び続ける其は貴方だけの
『人形。』

欠けた時止めて
光届かぬ闇に消えよう
動かない貴方を
連れて歩く【僕】は
『誰なの…?』

―――目覚めると未だ僕は独り静寂の中で、悪夢に震えながら涙流して居ました。
『さようなら』は言わないまま、時の中に消えた貴方。
どうしても…どうしても…『さようなら』が言えなくて…。

絡まり続ける蘿と、薄れて逝く貴方の面影。
少しずつ…消えて逝く…僕達の…思い出は………。

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