こんな背伸びや、翅が無くても飛べる様な。
どんな居場所や、声が有っても響かないんだ。

手を使って、足を伸ばした。
これを全部、せーので忘れよう。

誰が手を差し出したって、生きるつもりはないの。これ以上は。
八月の良く晴れた日を、思い出して鳴いてたんだよ。
蜉蝣を目指して。

色んな痛みや涙が無くても飛べる様な。
そんな居場所や、声が有っても意味がないんだ。

眼を閉ざして、耳を塞いだ。
だから今日も僕でいられたの。

この雨や僕の為に、誰も生きた理由までは語れないだろう。
時々、赤い血を足して、終える今日を愛してたんだよ。
忙しい僕等に。

眼を凝らして、耳を澄まして、
(手を使って、足を伸ばした。)
だけど今日は、せーので忘れよう。

誰が手を差し出したって、生きるつもりはないの。これ以上は。
八月の良く晴れた日を、思い出して泣いてたんだろう。
陽炎を目指して。


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