首斬り穴の
闇を覗けば
刃が走り
視界が回る
ひきつる胴が
血の雨降らし
無念の青に
恨みの赤が

睨んだ睨んだ
歪んだ顔が
並んだ並んだ
晒し首並んだ

すすき野原の
壊れた台で
睨んでももずが鳴くだけ
首から下は
どこへ言ったのか
からすに訊けど
答えちゃくれぬ

溶けた溶けた
鼻が溶けた
落ちた落ちた
目玉が落ちた

蓑虫が
俺の鼻穴で
夜風に揺れている
蟷螂が
俺の頭から
月に拝んでいる

土蜘蛛が
俺の喉元で
何かを待っている
こおろぎが
俺の目の中で
あれと鳴いている

人に晒され
日に晒され
雨に打たれて
風に吹かれて
虫に喰われて
きのこが生えて
苔むすころに
土へと帰る

崩れた崩れた
しゃれこうべ崩れた
無くなった無くなった
俺が無くなった

咲いた咲いた
彼岸花咲いた
忘れられた
俺の墓標

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   無限の住人へのコメント

長い間の連載、お疲れ
様でした。時代考証が
どのあたりか解らなか
ったけど、楽しませて
戴きました。

2019-08-03

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