慚愧の数だけ涙を零せば
呵責の鎖が切れるというのか
刹那の庵を股旅歩けば
菩提の地平が見えるというのか

青春とは不仕合わせの驕り
諦念とは高利貸しの夜逃げ

楡の花が咲いたよ

中絶の夜
絶食の月
童貞の道
相剋の家

自涜の汚泥にその日を窶せば
憤怒の仮面が笑うというのか
懶惰の墓標に誰かを刻めば
紅蓮の車輪が止まるというのか

情熱とはチンドン屋の悟り
追憶とは破傷風の家出

茱萸の実ひとつ弾けた

獄中の友
中傷の秋
月経の春
相剋の家

あぁ 淡い光
茜のさす森の中
あぁ 貴方の声
我が懐かしの埴生の宿

あぁ 甘い記憶
寄せては返す夢の中
あぁ 数多の恋
我忘れじの慟哭の歌 相剋の家

帰りたい帰りたくない
帰ろかな帰るのよそうかな

お前は逃げてるお前は逃げてる
お前は逃げてるお前は逃げてる

生きている生きてはいない
生きよかな生きるのよそうかな

お前は恐れるお前は恐れる
お前は恐れるお前は恐れる

人生とは長襦袢の契り
絶望とは団地妻の午睡

赤い柘榴割れたよ

勘当の町
引導の河
恩讐の母
相剋の家

他人を羨み自分を蔑み
未来を諦め何処へ行こうか

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