柘榴模様の太陽が
真っ赤に熟れて堕ちるのは
酔いどれ眼の生み出した
万有引力夢じゃない
退屈に煙る人生を
薔薇色に染める魔法水
暮らし倦みたる手の平に
注いでおくれよなみなみと
宿酔いの坂道に
髑髏の灯りの点るのは
厭世病者の見い出した
エレキレルかも嘘じゃない
西洋無類の神様も
酒呑みうわばみ酌をして
語り疲れに頤に
注いでくれるよだくだくと

天井裏から
蟲がどしゃ降る

枕元では
大名行列

頭蓋が割れて
記憶はこぼれ

牙を剥き出し
ピンク色の象が走る

壁の穴から
眼玉はジロリ

窓の外では
有罪判決

一杯の勇気を
一瞬の陶酔を

羊水で割った
琥珀色の海に沈む

酒は呑め呑め呑むならば
二度と戻れぬ呑むほどに

莫迦酔狂ひ
莫迦酔狂ひ

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   無限の住人へのコメント

長い間の連載、お疲れ
様でした。時代考証が
どのあたりか解らなか
ったけど、楽しませて
戴きました。

2019-08-03

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