ほんの数秒
息を止め
試した
『未来』の意味を

答えなんかいらなかったんだ
明日はいらない
必要ない

見下ろす街並み
重くなる目こすって
時の流れに逆らおうとする
止まない雨に濡れ
乾かないこの心に
傘をさしてくれたのは…

背中に頬つけた君
この場所は妙に静かで
『まるで世界に二人ぼっちみたいだね』
小さく零したんだ

見下ろす街並み
重くなる目こすって
時の流れに逆らおうとする
止まない雨に濡れ
乾かないこの心に
傘をさしてくれたのは

『時間が来た、もう行かなくちゃ』
無情にも君の表情が綺麗すぎて
うつむいたまま手をふったんだ

『今』と闘う
勇気がなくて
冷たかったんだよ
震えていたんだよ
でも今は違う

見下ろす街並み
かすみだす目ぬぐって
『また会えるよね?』
不確かにうなずく

震えた約束が
変わろうとする明日に
傘をさした

出会えて全てが
『今』を映しだしたから
一瞬の気持ちを
大切に思えた

残された僕に傘をさしてくれたのは
背中に残った
わずかな温もり


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