僕の話を聞いてくれる
あの人は哀しい女だった
飲みかけのグラスに虚を数えて暮す
僕のすべての愛は あの日においてきた

日々の暮らしは荒れていた
うつろな瞳で男を誘い
つかのまの夢に 体ふるわせた
悲しく羽根もない小鳥のように

果てることのない この世の中で
果てることのない 人の流れの中
あの人は いつわりだけが
味方だと つぶやいた
あの女の胸に 灯をつけるのは
マッチをするより 簡単さと
くわえ煙草の 煙りの中
一人の男がそんなふうに うそぶいた

くるはずのない 春の日射しのような
くるはずのない 倖せの中で
あの女は眠るように
死にたいと泣いたんだ

もどれはしないこの人生の
もどれはしないあの街角に
想い出だけが昨日のように
僕の名前だけを呼んでいた
昨日のように

呼んでいた(昨日のように)
呼んでいた(昨日のように)


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