時の足踏 唄うマロニエの木
君の頬撫でて空へと消えた
僕ら想っていた
遥か彼方の二人の静けさを

蜃気楼を描く微笑と
境界の虹が僕に手を振るので
マロニエのはかない瞬きに
君を連れ出して
声を投げたのさ

赤い花弁 胸の戸を敲く
その残響は永遠の秘密さ

今は何もいらないよね
僕らにも季節が舞い降り始めるよ

君は笑っていた
悲しみを花びらで包んで
君は泣いていた
ゆっくりと静かに眠りなよ

温かい風と季節の中を
僕らはずっと歩いていったよ
マロニエを唄うその声は
淋しそうに笑っていたよ


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