錦江湾に陽が沈み
海が赤く血の色に燃え始める
照りかえす雲は紫に染まり
鋭(と)んがったまんまでモクモクと息をしてる

俺は桟橋から
桜島フェリーに乗り
山よ、岩肌よ、ゴツゴツのおまえ
貴様の前に立つ

燃えて上がるはオハラハー桜島
丸に十の字の帆を立て薩摩の風が吹く

立ち昇る煙が天空を突き刺し
情熱の血液が俺のからだを走りかけめぐる

錦江湾に陽が昇り
命の雫が金色に燃え始める
水平線から無言の息吹よ
薩州薩摩の荒くれ俺らぼっけ者(もん)

俺は桟橋から
桜島フェリーに乗り
山よ、岩肌よ、ゴツゴツのおまえ
貴様にいだかれ俺は眠る

燃えて上がるはオハラハー桜島
丸に十の字の帆を立て薩摩の風が吹く

歴史の雨に、風に、嵐に、雷雨に打たれ
なおもいどみかかる島よ、岩肌よ、情熱の顔(つら)を出す


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