カリント工場の煙突の上に
浮かんだ雲を眺め
帰り支度してる太陽を
追いかけて家路をたどった

風に揺れる万国旗を見ながら
遠い世界を旅してた
ばあちゃんの家のはなれで
一晩中星を数えた

僕は 町を捨てた 夢を探し始めた

白い紙にクレヨンで描いてた
零戦や潜水艦の絵も
葡萄色の着物を着てた
母親の似顔絵も

ずっと 胸の奥に 刻み込まれたまま

空よ 僕を忘れないでくれ
大空よ 僕をあの場所へ連れていってくれ

僕が今でも泳げないわけは
川で溺れたあいつのせいさ
堤防から放り投げた
花束は流れて消えた

路地裏で泣いてたあの娘が捨てた
赤い口紅のついてた煙草
さびれた商店街のアーケード
破れた金網越しのネオン

いつか 町に戻って 変わらないままでいて

空よ 僕を忘れないでくれ
大空よ 僕をあの場所へ連れていってくれ

市営住宅の中の広場で リレーしたんだ みんなで

空よ 僕を忘れないで 思い出してくれ
大空よ 僕をあの場所へ連れていってくれ

カリント工場の煙突の上に


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