父を亡くした男はひとり 大海原へ舟をだす
育ちざかりが待つの家の 明日の為と舟をだす

涙がかわく暇もなく 魚の群れが通りすぎてく
けれど男は 無くしたものを 探し出すように網を引く

今日という日が 荒波でも
海は変わらず 青のまま
潮の流れが 指している 沖へ沖へと

それを知ってか 知らないのか 育ちざかりの 腹がなる

母を失くした女はひとり 涙の顔で髪をとく
女もまた 母であり こんな時こそと髪をとく

今日という日が 雨降りでも
雲の上では 青のまま
風に運ばれ 舞う木の葉が 空へ空へと

それを追いかけ 走りだす 無邪気に笑う 幼き子

荒波でも 雨降りでも
前も見えない 暗闇でも
育ちざかりも 幼な子も
男も女も みんな知ってる みんな向かってる

闇の向こうの 向こう側の 海も空も 青のまま
深く高く 美しく 海も空も 青のまま


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