音もなく降る雪 眠る街を包む
白銀に染まる世界
街外れの丘ですべて見渡すように
佇むもみの木 揺れる

ずっとこの場所で僕らの日々を
見つめ続けてきたんだ

移り変わってゆく時も人も 誰よりも知っている
僕の迷いも小さな祈りも 閉じ込めた心さえも
隠せない

はるか高く目指し真っ直ぐ伸びる木は
空と大地の架け橋

それは神様に繋がっている
とても大切な木ね…

街に伝わるやさしい伝承 母が教えてくれた
ずっと前から誰もが願いを抱え訪れる場所
変わらずに

幹に寄り添い瞳を閉じれば 胸を満たす木の香り
いのちの息吹 身体をめぐって心解きはなっていく

僕の願いを受けとめるように
風が枝葉を揺らした 雪の夜


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