Kaya/百鬼夜行

桜花 -百鬼乱舞編-

Kaya


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『百鬼夜行』収録

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  • 花冷えの 夜にざわめく 蜉蝣
    夜桜 ほのかに 馨りなびく
    宵闇が そっと私を連れてゆく
    追憶の果てへと

    降りしきる花びらが
    はらりはらりと二人を隠した

    重ねあう くちびるから
    こぼれだす 甘い罪
    狂おしく舞う薄紅
    甘やかに 汚されて

    幻影 たなびき 搦みあう 息
    泡沫 はかなく とけてゆく 聲

    朧月が啼く

    薄紅の毛氈 闇夜を彩り 一夜は永遠

    重ねあう くちびるから
    こぼれだす 甘い罪
    狂おしく舞う薄紅
    甘やかに 汚されて

    風に散る 淡い想い
    交じりあう 夜伽の嘘

    ゆるゆると 視界を食む 蜉蝣
    乱れ、 尽きて――――――――

    花の 色は 移りに けりな
    いたづらに わが身世に ふるながめせしまに

    朧月が啼く

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