彩冷える/彩冷える

エクストリーム・マシーン

彩冷える


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『彩冷える』収録

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  • ただ、錠剤の隅にまで 補うべき成分求めても
    ただ、明けない夜の裏側で 速度を 嗚呼 上げてみても

    「足りないのは本当に君なんだ」って僕は足掻く虫

    欠けた爪 掛かり残るのは 壊れることのなき温い赤
    躊躇なく噛んでしまうは 落ち着かない時の癖
    「靴舐めろ」と仰け反る青 讃え罪を重ねることなど容易い
    でも 届かない

    ただ、明日を変える何かを水溜まりに沈め探しても

    何度切り裂いてみても君の体温だけは五月蝿く喚く

    欠けた月 集り揺らすは 照らされることなき 古い浴槽
    皮膚を波立たせ揺らすは 君と僕の供水浴
    踏み外して落ちた坩堝に
    差し出された汚れた手が消えるまで
    異端であれ

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