落ちたザクロ
アルミの羽広げ
ギラギラギラリ
白いカラス
必要悪の中
ふわりふわりふわふわふわり
子宮の海から
儚い命が
悲鳴を響かせ
吐き出されていく
熟れたピンク
漏れた強欲な悦
くるくるくるり
黒い羊
手招きをしたまま
ゆらりゆらりゆらゆらゆらり
巨大な両腕に
頭を掴まれ
祝福の声に
その身を任せた
晴れた空の下
鏡の前、腐った果実
娘は何も知らず
今年も帽子を被る
流れていく、ただ一つの
存在証明
母の願い叶えば
もう一度取り戻せるだろう
左斜め上広がる悪
母はもう土の下
左斜め上広がる悪
母はもう土の下
子宮の海から
儚い命が
悲鳴を響かせ
吐き出されていく
晴れた空の下
扉の奥、狂った果実
娘は何も知らず
ただその時を迎える
流れていくただ一つの
存在証明
母は娘の全て
引き換えにして
微笑んだ
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