Moran/dark

ネガイトウタ

Moran


word: Hitomi music: Sizna

『dark』収録

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  • どんなものでも見せてあげよう
    此処では夜空にも虹を

    それなら雨を、木苺ほど大粒の

    諦めよりも期待は重く
    時折、それは苦しいね

    僕の孤独は 望むものを産み落とす

    ずっと待ってた
    作り出した覚えのない君を

    ずっと待ってた
    誰かが声に気づいてくれること

    蠢く空 ほら 瞬間 雲を濁すよ
    落ちてきた雨の粒は 切り裂くような音色
    聞こえる ねぇ 瞬間 響いているよ
    それなのに雨の粒に 触れられずにいるよ
    一人、さめざめ

    こめかみの奥 繋がる感覚
    疑う余地はなく 確信だけを見ていた

    世界を自由に創造する事ができたはずだと
    持てるだけの全ての悲しみを震わせ
    ありったけの雨を降らせ続けた
    けれど雨粒は歌の内側に落ちるだけで
    死にゆく森に降り注ぐことはなかった

    枯れた草を食んでいた子鹿も
    砂塵に塗れたシマリスも
    木陰の土と同じくらい冷たくなって
    願いと共に消えゆくのだった

    それでも
    彼は自身が歌の中にしか存在していない事を
    彼女は決して相容れない事を
    理解する術はなく

    あやふやな存在だけを強く感じて

    溢れる ほど 瞬間 星も浸るよ
    嵩を増す雨の粒が 飲み込んでいく音色
    静かに ねぇ いま 溺れていくよ
    こんなにも傍に在って
    触れられずにいるよ
    一人、さめざめ

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