朝焼けの霧に滲む
囁く彼方の声
夢が覚め遠く満ちる
時の訪れ

手に落ちた露に映る
そなたの面影
待てど いずこ うつつに
心の奥で 彷徨う

儚く揺れる
なでしこ桜
乱世で生まれた花よ
紅く染められ
今、よみがえる
あの日のにほひ
夜に開く花ビラ

音もなく 続く道を
守るべき者のため
ひとときの 闇を照らす
月影ぼうし

深き淵に霞める
そなたの指切り
忍び 宿る 絆と
心を盾に貫け

艶やかに舞う
なでしこ桜
乱世で朽ちてく花よ
風にたわむれ
今、枝垂れゆく
微かなにほひ
色は移りにけりな

今ひとつ またひとつ 零れゆく
花海に うずもれて
永遠に巡り巡る夢見草

儚く揺れる
なでしこ桜
乱世で生まれた花よ
紅く染められ
今、よみがえる
あの日のにほひ
夜に開く花ビラ

忘れることなかれ

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