不思議そうに見上げた夜空
まるで球体の部屋に一人ぼっち
ただ夢中でガラクタを集め
孤独のカプセルの中

月日が流れ年老いた私は
1体の小さなロボットを
ニンマリ笑う少年型ロボ
ツギハギの命を纏う

眠れない夜の長い 旅を終え
さぁ こっちにおいで
本を読んであげる
いつぶりかな?

こんなに笑ったの

ある日 目が覚めた少年は 何度も魔法をかけた
「ヒトノキモチガスコシダケ ワカレタライイノニナ」

「もうすぐ空の向こう側へ行く」とそっと頭をなでた
そうか…きっと造り上げた君が 私の弱さだったんだ

ごめんね…

動かなくなった老人のそばを
少年は離れようとはしなくて
本に書いてあった魔法を
何度も唱えた

ある日 目を閉じて少年は 何度も魔法をかけた
「人の気持ちに少しだけ 近付けたらいいのにな」

でも あの日からまだ動かないの
何度も何度も魔法をかけたのにな?
こんなときどうしたらいいの?
いつものように教えてよ

ある日 目が覚めた少年は 何度も魔法の中で
喜びや愛を少しだけ わかれたような気がした

ねぇ 僕を一人にしないでよ
何度も何度も魔法をかけたんだ
いつまでもここで待ってるよ
溢れてきた感情が

「これが…涙なんだね」


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