びゅうと音を立てて 耳元通った風
突風に飛ばされぬよう いつしか手を取り合っていた

きっとこんな風に 僕らは始まりだし
未来が曇らないよう 必死に見つめ合ってた

4つの靴を並べて

下り最終列車 見過ごして 佇んだ弥生の隅
見慣れない明日を 見つめていた
夜にぶらりと下がる信号と 薄紅の空の下で
頼りないその手を 掴んで

すっと香りが立ち 首元通った風
時間はあっという間に 季節を入れ替えてた

5つ数えて そっと目を閉じ
6つ目で手を 重ねた

ちりちりと頬を焦げつかすような 照れくさい時を過ぎて
素晴らしい明日を 信じていた
愛が何かを知らぬ若人が 愛情を試しあって
流すべき涙を 流した

上り最終列車 飛び乗って 動き出す弥生の隅
見慣れない明日を 見つめながら
夢も現実さえも混ぜ込んで 渦巻く綺麗な空へ
暖かい手と手を 掴んで


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