そして彼女は行方不明
雷鳴が銃声をかき消したあの晩に
「戦おう 戦おう 戦おう 倒れたあいつのためにも」
男たちは酒酌み交わし 夜明けの夢を見てた
不機嫌な彼女には 何もかもが標的だ
飼い猫と睨み合い 舌を出す
誰かの靴の音が 空に響いて消えた
彼女と待ち合わせた石畳
シュプレヒコールの片隅で そっと手を繋いだね
どうしようもないこと 怒りを覚えたときは
泣きながら怒ってた 窓際で
涙も枯れたはてたら 歌を口ずさむのさ
楽しげな 軽やかな あの歌を
シュプレヒコールの片隅で ひとり目を 塞いでた
揺りかごを揺らすのが 僕の手であったならば
彼女は手紙を書き 破り捨てた
そして彼女は行方不明
雷鳴が銃声をかき消したあの晩に
「戦おう 戦おう 戦おう 震える心を隠して」
風に揺れる蝋燭の灯に あなたを想っていた
さよなら悲しみよ あの人の心から
出て行っておくれ お願いだから
さよなら悲しみよ あの人の心から
出て行っておくれ
神様 どうして 悲しみは 生まれゆく
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