僕らは鏡だ
生き急いだまま互いを映す
初めて気付いたよ
多分、足りないものだらけだと

教えてくれたね
まるで知らない僕のことを
教えてほしいの
まるで知らない君のことを

泣いてるのに君はいないな。
泣いてるのに此処にいないな。

僕らは鏡だ
不揃いの形を互いに映す
忘れてしまったよ
それまでの僕の姿など

聞かせてくれたね
まるで知らない世界の理を
聞かせてほしいの
まるで知らない君の内側を
どうやっても触れないけれど
どうなってしまってもいいんだよ

『変テコな形の言葉は蜘蛛の巣みたく拡がって、
生活に絡まるそれが不思議と夢を見せる。
教科書に載っていた台詞は鏡の中また腐って、
やけくそに吐き出す毒が哀しげな顔してる。』

ああ

『贅沢に重ねてきたのは有り体の私の声で、
取り換えの効かぬ言葉で不思議な色を見せる。
ぼんやりと佇む姿は鏡の中で移ろいで、
その枠を飛び越えるその、まさにその時を。』

ウツラナイ ウツラナイ
言葉なんて必要ないって知ってるよ
キコエナイ キコエナイ
なぜだろう
それでもこぼれてくるの
ワカラナイ ワカラナイ
映り込んだ僕を見せておくれよ
トマラナイ トマラナイ
弱虫の泣き声だ
さよなら

泣いてるのに君はいないな。
泣いてるのに此処にいないな。

泣いてるのに君がいないから。
泣いてるのに君はいないから。


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