藍色の瞳で海を見つめる
彼女の頬を潮風が撫でる
もうこれ以上の悲しみは無いと
言い聞かせてきたつもりだったけど

幾つも押し寄せる波の音に怯え
私はこの耳を塞いでしまった

このまま海を渡って あの太陽の向こうへ
明日へ変わっていく日々から
逃げ出したくもなる
置いていかれそうな 渦の中で

帆を広げ進んでく船を見送った
「もうここで」と手を振り微笑む
ああ、これが夢ならば 抱えた思いも
この虚しさもいつか覚めるのだろうか

溶け出した氷に滴る水の様な
幸せが続きますように

それでも僕らはどうして
人を憎んでしまうだろうか
浅ましい心にナイフを突き立てたとしても

閉じ込められた扉の向こうで
彼女は膝を抱え蹲っていた
何を手にして 何を手放したか
このまま海へ呑まれてしまいたい

藍色の瞳で海を見つめる
彼女の頬を潮風が撫でる
もうこれ以上の悲しみはないと
言い聞かせてきたつもりだったけど

このまま海を渡って あの太陽の向こうへ
明日へ変わっていく日々から
逃げ出したくもなる

それでも僕らはこうして
日々を繋いでいくのだろう
浅ましい心が溺れて足を取られても
どうか 泳いでいけ 渦の中へ

渦の中へ


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