薫

出逢いは雨の後で　白百合具えただけなのに
水溜りに跳ねる恋模様　桃色染まる口紅の所為ね

縺れあった2人の影は朧げに　月明かりに彷徨うだけ
解けそうなわたしの　赤い糸はホツリと　千切れて

あなたが居ないのならば　生きていても意味がないの

あなたが喜ぶように　綺麗に化粧をしていたのに
心までは隠しきれないの　見透かされているでしょうね

見詰め合った2人の命は途切れて　溢れ出した涙に揺れ
溺れそうなわたしの　赤い靴を揃えて　下さい

あなたが居ないのならば　生きていてもしょうがないの

愛し合った2人の記憶を残して　時間はまだ止まったまま
可愛そうなわたしは　生まれ変わっても　また　逢いたい

あなたが薫る街でもう1度　生きてみるのも悪くはないわ

あなたに　グッバイ