目が覚めるような速さで 頬に突き刺さる
冷たい風と背中には 君の白い呼吸(いき)

慣れた街を背にペダルを漕いだんだ
片道切符握りしめて

「永遠に忘れない」なんて嘘くさいから
精一杯 目一杯 手を振り見送ろう
「また会おう」なんて言えないから
「どうか元気で」と笑顔で叫ぼう
涙を隠した声で

予定時刻より遅れて最終列車が来る
冷めかけた缶コーヒーで最後の乾杯

「僕は東京(ここ)にいるから…」そう言いかけたけど
かき消すように響くベル

「金輪際会いたくない」なんて喧嘩した日
何故か今になって思い出したんだ
線路の向こう 列車が見える
白線に並んだ僕らの距離は
出会った頃よりも遠くて

荷物を持たずに旅立つよ 僕らはそれぞれの道を行かなきゃ

「元気で」なんて嘘くさいから
精一杯 目一杯 手を振り見送ろう
「ありがとう」だけ伝えたいから
精一杯 目一杯 手を振り見送ろう

ベルが止まる ドアが閉ざす
君がくれた最後の笑顔は
驚くほどに綺麗で


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