濡れたあなたのその瞳を 一言で乾かせる言葉を
探す旅路のその途中で 僕のミタマはもげ 現から覚める

言葉に閉じ込めるにはとても 無理と窘めた絶望も
あの震える手で掴んだ奇跡も 今ならば一言で片付けられる

どこへ奪ったの 「絶」も「最」も「奇」も
いつかすれ違っても 気付かぬ距離

空から堕ちた光 僕の手で汚さぬように
と願っても 僕を抜ける 光も 人も 濁るだけ
ただ通り過ぎてくれればいいのにな

どうぞこちらはオカマイなく では気持ちだけはありがたく
なぜにあるこの乳房のごとく 意味などなく ただ悪戯に在る僕

点いては消えていく 今日も「無」が「有」が
意味を 追おうものならば 僕は残る

また会う日まで さぁ手を振るよ 君の好きなこの歌に乗せて
次会う時は 君は猿で 僕はたわわに実るパイン
言葉もなく食われればいいのにな

空へと消えた光 僕も次の刹那で逝くよ
顔も眼も名も 形さえなく ただ二人 笑い合う
その時は 君の声で聞かせてよね

現を抜かしたこの世界で 今はこの身の最果ての夢を見る


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