どうせ見えないんだろう 居るわけないだろう
祈りそうで縋りそうでかき消した
ぼくが握りしめた そして握り潰した
手のひらで砕けた きみはどこで生きてるの?

おもちゃのキリンが散らばって広いはずの空を切り離した
からからに乾き切ったアスファルトに黒い影を落としニヤリと笑った

どこで間違えたか気付いたところで巻き戻せないんなら意味はないや
匙を投げたふりで暗闇に紛れた ここじゃだれにも気付かれずにいられる

どうせ見えないだろう ぼくのことなど
居なくたって 居なくなったきみじゃなきゃ
闇に溶けるどころかもっと黒くなった
手のひらさえ見えない ぼくはどこで生きてるの?

ガラクタみたいな街だって 夜になればちょっとカオを変えて
暗闇を染め上げるネオンサイン 宝石みたいだとふたりで笑った

どうせ言えないんだろう 巻き戻しても
言えないって言い訳して言わないんだろう
ぼくが握りしめた そして握り潰した
手のひらが疼いた きみとここで生きてたの

ふたりきりじゃ何故いけないの? ぼくがなにも守れないから?

どうせ見えないんなら 居るわけないなら
祈るのも縋るのもぼくだろう
ぼくに足りないもの きみに預けたもの
取りに行かなきゃ もう 取りに行かなきゃ

咲くわけないだろう 笑い飛ばした
夢みたいな奇跡だって起こるなら
ぼくは握りしめた 二度と離さないと
手のひらに誓った きみとここで生きてくよ

きみのネジで時を巻き戻してぼくらの在処を取り戻した


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