嗚呼、思い返す事も振り返る事からも逃げて
「鬼さんこちら 手の鳴る方へ」
歩かされている事にも気付かぬまま…とぼとぼとぼ…
聞き耳を立て歩く

嗚呼、私は叫び散らす
掲げる「我」脆弱と知らず
染まる事を知らぬ無垢と信じて疑わぬ無知へ
知らず知らずに染まる

透明に焦がれ切り刻んだ
透明を夢見てはばらばら
然れど届かず 故に孤独
眼に映る虚無の砂

触れども掴めずに崩れ去る
拾い集め 繋ぎ合わせ
吐瀉の海で不実を喰らい
喉を潤す

削り 抉り 吐き捨てた
何も残らぬ…これが私?

混沌に堕つ 灯辿れば「偶ノ像」
故に…
混沌に堕つ 灯詰れば「実ノ葬」

爛れた感情
燻る嘘
偽りと言う真

混ざり合えば極彩の黒

生きる事も死する事も正しさも間違いも全て
ひらひら舞う紙一重の一片「現の迷い子」

白を歩めば眩み 黒を歩めば暗み

焦がれて黒煙を上げるだけの憧れを抱いて
私の空白を埋めるそれはただの欲の滓

風が攫う私の色 後に残る透明

煌びやかな色をした嘘に塗れて現が見えぬ様に
然れど焼かれ痛む心 また一つ増える焦痕
その痛みから逃れる様に更に嘘に嘘を重ね塗り
気付けばほら…私色に眼背ける

私の現
私の明
私の昨
私の夢
私の痛
私の嘘
私の実
私の虚
私の生
私の死
私の色、それは極彩
極彩、故に透明

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