誰とも話す事もなく2、3歩遅れてついてく
向かう先は拷問の始まり
バイト先の飲み会

先頭が店に入った 全員の位置を把握すべし
どこの席に座るか次第で 今日の命運が別れるから

携帯見るフリして タイミング調節して
当たり障りの無さそうなあの隅っこの席へ

決して嫌いな訳じゃない苦手なんだ ホントは仲良くなりたいんだ
だけど何を話せばいいのか解らない
仕事中の業務連絡ならば 流暢に言えるのにどうして
目を合わす事さえ出来ないんだろう

席について暫くは ひたすらメニューを熟読
1冊しかメニューが無い時は地獄 (もう一冊頂戴)
いつの間にか可愛いあだ名で呼び合ってるみんな
勿論僕は苗字だし 誰の名前も呼んだ事は無い

気づかぬ内にみんな どんどん仲良くなって
いつもそうさ僕の居場所なんてどこにも無い

いつだって1人で居るのが好きだけれど 独りぼっちなのは嫌なんだ
空いたグラス見つめ 時が過ぎるのを待つ
次の注文すらできないまま 15分置きにトイレに逃げこむ
一体僕は何をしているんだろう

人見知りだけがきっと人見知りの 気持ちが解る筈だから
この性格が役に立つ日が来る筈
いつか出会う僕と似た誰かとの 気の合う会話妄想しながら
その日に備えてさシミュレーション

お会計と共に終わりが訪れ 急いでるフリして立ち去る
電車で誰かと 2 人きりになってしまう前に
明日からまた頑張りますから 今日のとこはどうかこの辺で
勘弁して下さい
お疲れ様です

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