暗く寒い地面の下で 今か今かと待ち続ける
自分の番が巡ってくるのを
同じくらい潜っていた奴らが 陽の当たる世界へ消えてく
次々と

ヨーイドンで切ったはずのスタートラインは遥か彼方
一体 何が違ったのか 隣の芝は青々と生い茂るばかり
僕の名前はまだ呼ばれない

「今年こそは」って何年経った? 誰よりもうまくやる自信はあるのに

光の届かないこの場所で それでも光を信じている
なんでだよ 優れているのは僕の方なのに
「おめでとう」と言うその裏で 躓いてしまえと願った
ちっぽけな そんな自分の心にやりきれなくなるよ

良いことばっかじゃないって そんなこともう解ってる
だけど比べてしまう
幸せそうな笑顔浮かべるあいつと
明日の行方も分からぬ僕

そこから見える景色はどんなだ?
ほんとうは 知りたくて仕方がないや

あと どのくらい進めばいい?
あと どのくらい待てばいい?
羽化する時をただひたすら
焦がれて 焦がれて 焦がれている

光の届かないこの場所で それでも光を探している
暗く湿ったこの場所しかまだ知らない
夏の終わりに散らばった 亡骸のひとつになろうとも
選ばれないまま ずっと土の中で終わる
それよりはマシさ

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