だれもいない海辺に藍色の足跡
鉄の空横切った赤い地平線
いつまでも続きそうな泡立つ日々だった

細長い列車は遠い季節へと急ぐ
ずっと忘れてただれかのことを思い出す
いつまでも続くような長い長い日々だった

近づくほど遠ざかる夏
あぁ 八月の息子は歩く

かげろうがゆらり手を振った白い水平線
蜃気楼がじりじりと忍び寄ってくる
悪いのはあの季節 燃えるようなこの心

過ぎるうちに近づくんだと
そう八月の息子は思う

見つかった? 見つからない
何がある? 何もない 夏の日々
見つかった?
見つからない
何がある?
何もない
夏の終わりに。

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