刹那を誇れば 雨霰の如き賛美
舐られ 嬲られ 人知れず散るはモノのあはれ
歩みの裏にこびり付くモノ
其れは嘗て後ろ指で潰し擦り付けた日々
あれよあれよ モノの見事 好奇の垢に塗れ
それはそれは 鼻を抓み 目を伏せ見て見ぬ振り
腐り掛けの供物 何よりの馳走
生唾垂れ流して 今…腕に縒りを掛けましょう
からからからりと廻り廻って
命の影絵 在りし日の記憶
涙にゆらめく
囃し立て嗤う
桜に抱かれて
また一つ喰い散らかされて 還る命は華々しく
忘れ去られ永久に眠れど 返り咲けば桜花爛漫
腐り掛けの供物 何よりの馳走
生唾垂れ流して 今…腕に縒りを掛けましょう
平らげて おやすみなさい
廻って 廻って 廻り切って
形はとうに脱ぎ捨てた
風が触れるは在りし日の何か
色はとうに塗り潰した
陽炎の様に
音はとうに掻き消した
無言で垂れる輪
桜に抱かれて

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