ほら…緩む口元から仄見える舌が翅を拡げ
欲晒し擦り合わせ 愛の名の下に嘘唄う
手招きする掌に搦み付くは牝の糸
残り香を隠す様に涎塗れ
小さな赤い実が弾け泣き喚く様に滴る
蜜に欲を混ぜれば化粧 「桃色万華鏡」
蕾めば死んだ芽吹く春
咲き誇れば生きた躯
疳の虫をあやす為に貪られた私の名は「累」
命短し故に燦然 背徳の味に舌鼓
芥子の紫煙と踊り目合ひ 絶望の奥に捩じ込む夢
暁月夜 「今宵はここまで」と…
ほら…軋む喉元から仄見える声は白に濡れて
雨晒し擦り付けて 愛の名の下に嘘唄う
物言わぬ恋を愛にしましょう 針の穴に糸を通し
探り弄り真ん中で触れた、心鷲摑み食らい付く
命短し故に惨然 背徳の味に舌鼓
寄せては返す水面に浮かび揺蕩う様は溺れた魚
命短し故に潸然 背徳の味に舌鼓
歪み捩じれて拍手喝采 此処は正に夢の現世
命短し故に燦然 背徳の味に舌鼓
芥子の紫煙と踊り目合ひ 絶望の奥に捩じ込む夢
暁月夜 「今宵はここまで」
誰彼月夜 「今宵はここから」と…

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