えんそく/惡道に死す

犬死にマクマーフィー

えんそく


word: ぶう music: えんそく

『惡道に死す』収録

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  • 狂ったこの惑星ではボクラ 同じ狂人のふりをして逃げ回る以外どうしようもないんだ
    ねぇマクマーフィー 大事なボクの詐病仲間
    闇夜に紛れここから一緒に出ることを 誓っただろう?
    「死んだらどんな悪党も同じだ 夜空に刺さり星になる」って アレは本当かい?

    ボクの大切な友達が死にました
    この惑星の壊れた神様を壊そうと語り合った 大切な仲間だったけど 犬死にしました

    冷たいビルが 遠吠えを頼りなげに遠ざけた ボクも君まで届くように月に叫ぶんだよ
    冷たい夜が 孤独を迷わせず輝かせた 暗がりに牙爪を突き立てていた

    昔君が内緒で教えてくれていたアレ 確かめたけど出口なんかじゃなかった
    君の命がけも意味なんてなかった

    嘘吐き ボクのマクマーフィー 大好きだったのに 夜空の星にもなれず
    大人達に頭をいじくられてしまって 意味も価値もなくなってしまった

    冷たいビルが 慟哭をか弱い声に遠ざけた ボクラは涙も弾くように月に叫ぶしかない
    冷たい夜が 孤独を迷わせず輝かせた 暗がりに牙爪を突き立てていた

    ボクはあの映画の詐病者の様に ちゃんと君を殺してやるべきだった
    君はあっけなくロボトミーされて もう二度と 口答えをすることも
    テレビが垂れ流すチープな映画を見ながら夢を語り合うことも
    あの本当の笑顔を見ることもない

    ボクの大事な友達は 目を開け 心臓を動かし 呼吸をしたまま 犬死にしました
    ボクラが家出の計画を立てた あの夜まで時を戻せないのなら
    蝕む毒よ 満ちて欠ける月のノイズに乗じて さぁ世界中へ

    計画通りに家出した夜 君は来なかった

    潮騒の果てにボクラ サヨナラして飛び出した 花咲く丘を越え闇で待っていたのに
    冷たい夜の虚飾に 惑わされず輝けば ボクだけが孤独に突き刺さっていた

    ボクは出口を探してる 問題は「あの柵」を壊す方法だ 何で壊せばいいか答を教えてくれ
    見上げた星空に君はいなくて きっと見下ろす遠い町明かりのどれか1つが君の病室なんだ
    君の声はもう聞こえないけど あの頃のボクラによく似た小さな声が確かに聞こえる
    いつか燃え尽きるなら夜を裂いて落ち 「あの柵」を壊そう
    闇に紛れて逃げよう 犬死にはしない 犬死にはしないぞ

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