ビルとビルの隙間から差し込む夕陽に
身を隠すように二人 足早に歩く

初めて手を繋いだね 周りから見れば
僕らは何処にでもいる恋人同士かな

今日はもうさよなら
君の帰る場所は僕じゃない
分かってるけれど…

好きだけじゃどうしようもない
出逢ってしまったから仕方ない
今は君の抱きしめ方がまだ分からないよ
その命綱外して僕の方へ飛び込みな
なんて言えたならもうひとつの物語
始まるのかな

なまぬるい風が運んだ運命に似た恋
空も雲も見慣れた街も違う色してた

進めるのかな
擦り傷じゃすまない痛みが
襲ったとしても

「好きだけじゃどうしようもない」
誰かの乾いた声が響く
僕はただ必死に耳を塞いだ「分かってるよ」
冬の匂いが混じる街 鳴り止まない愛の歌
君が心から笑えればいいな
それだけで…

好きだけじゃどうしようもない
そんな言い訳はもういらない
あの夏の日からずっと君だけを見つめている
たった一度その身体 強く抱き締められたら
この瞬間にだってもうひとつの物語
始まるのに


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