遠くで花火の音が聴こえた時に 胸が苦しくなって
きらめく夏の夜の物語から 僕だけ取り残された気持ちになったんだ
どっか遠く逃げたくて足を進めるけれど
どこ行けばいいかなんて分からないんだよ

そうさ 君が笑ってる時に 誰かと愛し合ってる時に
僕は夢に向かい ひとり進み続けるのさ
こんな僕にしか行けない場所があるんだ

いつか 僕の歌った歌を 君が悲しみに沈む夜
ひとり口ずさみ 涙流してくれたなら
そんな夢みたいなことを考えて 誰もいない夜の道をひとり歩いた

それでも花火が見たくなって 顔上げたら隣に浴衣の君がいて
夜空がパッときらめくたびに その横顔が美しく照らされた
そんなこと想像して気持ち悪いなって思う
強くなれよ そう自分に言い聞かせたんだ

そうさ ひとり立ち止まってると 後悔とか寂しさとか
襲い掛かってきて うずくまってしまうから
ただ前に足を投げるようにして歩くんだ

いつか 暗闇の中にいる 君の涙に濡れた頬を
美しく照らす 花火みたいになれたなら
一瞬で消えていい 遠くにいても気付けるくらいの花火になれたら

遥か彼方に見える光 音もなんにも聴こえなくて
思い浮かぶのは 君の笑った顔さ
どこに行っても僕は君のことが好きなんだ

そうさ 君が泣いてる時に 助けを求めてる時に
僕は君のそば いることができないから
そんな僕にでもできること見つけたいんだ

いつか 僕の歌った歌を 君が悲しみに沈む夜
ひとり口ずさみ 立ち上がってくれたなら
そんな夢みたいなことを信じて 花火を背にして 僕はひとり歩いた

ひとり歩いた


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