最期は正義を騙って迎えようぜ
高名な画家のよう 後世で生きるような
何かを手にするには 誰かを押しやってしまえ
薄汚れた栄光が 我が物顔をして
それはメビウスのよう 昨日は裏だったコイン
廻り続ける日々をいつかは 許してしまうんだ
街の灯りがまるで 銀河のように揺れて
決して触れてはならない誘蛾灯のようだった
掬い上げてみようと、この手で隠したのなら
誰も知らない 僕の夜が零れ落ちた
すべてが徒労に終わる そんな日の宵にはさ
「はじめから何もなかった」
独り言ちて 虚しくなった
幸福を手にするたび ため息を燃やしてすゝめ
選ばれなかった悲しみが また僕を見つめていた
それはメビウスのよう 昨日は表だったのに
変わり続ける日々をいつから 認めてしまった
恋人らの週末が 僕の傍を通り抜ける
振り返れど追いつけない 幻のようなスピードで
後ろ指でさえ今は懐かしく思えるのさ
僕の知らない 僕のいたこの街で
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