謦(こえ)が囁いている
翳(かげ)りの淵は身悶える
時が轟(とどろ)いている
路傍の人は行き過ぎる

啓示の月が夢に舞う
一瞬の刻(とき)を
花に生まれて甘(うま)に咲いて
慶事の月が雨に啼(な)く
一瞬の刻(とき)を
雲に焦がれて風は凪(な)いで

末那(まな)が揺らめいている
滾(たぎ)りの韃(むち)は翻(ひるがえ)る
澱(おり)が蠢(うごめ)いている
返しの前に短(みぞ)くなる

啓示の月が夢に舞う
一瞬の刻(とき)を
花に生まれて甘(うま)に咲いて
慶事の月が雨に啼(な)く
一瞬の刻(とき)を
雲に焦がれて風は凪(な)いで

華やいだ虚飾の風の宿りから
雲の切れ間仰ぎ謳(うた)う

啓示の月が夢に舞う
一瞬の刻(とき)を
花に生まれて甘(うま)に咲いて
慶事の月が雨に啼(な)く
一瞬の刻(とき)を
雲に焦がれて風は凪(な)いで

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