微睡(まどろみ)と眩暈(めまい)の
騒めきの檻(おり)で
堪え難(がた)き 亡状(むじょう)に
浮腫(むく)む我の躯(からだ)

賢(さか)しく無くとも
魯鈍(ろどん)に非(あら)ず
故(ふる)しの寝糸(ねいと)を
怪しみ創(はじ)めた

嗚呼(ああ) 肱(かいな)の蛆(うじ)
洋(いつわり)を 照らし出して
深い睡(ねむ)りに 食(お)され眩(ま)いて
嫋(たお)やいで

昏冥(こんめい)と夜光に 爛(ただ)れし総身で
掛替(かけが)えぬ 玄孫(やしゃご)を
屠(ほふ)るは 穢(え)の内羅(ないら)

及びで無くとも
烏滸(おこ)には非(あら)ず
頑愚(がんぐ)の戯(あじゃら)
過ぐ世(せ)は寂(さび)れた

紅い 血に怖(お)じ
何時(いつ)の間にか 誰殺(たそ)がれて
深い睡(ねむ)りに 食(お)され眩(ま)いて
嫋(たお)やいで

赫(かがや)き迄 腐(くち)で縅(おど)すの
閃(ひらめ)く其の目見(まみ)に
乏(うか)ぶは 泪
嗚呼(ああ)肱(かいな)の蛆(うじ)
佯(いつわり)を 照らし出して
深い睡(ねむ)りに 圧(お)されまじと
星を鎖(とざ)した値(まま)で
沙(すな)の誘いに 堕ちる目方(まえ)に
差し延べて
邀(むか)ふ醒(めざめ)に
澱(よど)まぬ意志 其の聲(こえ)を

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