あいまいな午後の雨に、何故か懐かしさを感じた。どこか温かくて愛しい。
何も恐くは無かったアノ頃。だけど、目に見えるモノだけじゃなく、
この目に映らないモノも失くした。「今」
全てが、酷く大きな真っ黒な渦に、呑み込まれてく。感情さえも。
あの日の僕は、もうどこにも居ない。


眠りの中でいつも祈った。「どうか、二度と朝が来ませんように…」と。
だけど、ソレは必ずやって来た。気がつけば、僕はいつも涙流していた。
もう一度、強く優しい君のその愛で、慰めて欲しい。
探したけれど、あの日の君は、もうどこにも居ない。
苦しかったよ。一人じゃ居られ無かった。あぁ…。

全てが、酷く大きな真っ黒な渦に呑み込まれてく。感情さえも。
先立つ僕を許してください。跡切れた今を、もう終わりにしたい。
誰か、誰か、僕のことを覚えてますか?



「空と海が重なる話、今度話すから。」

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