高くそびえる壁にいつも怯えていた
ソレは遠い記憶…
君は散り逝く事を 知りながら口を塞ぎ
何も知る事の無い 僕を気遣うように

麻薬中毒の君は 細く消えそうな声で
僕に囁き告げる…
これが最後に交す 言葉だとも知らずに
細く折れそうな体 強く壊れる様に

青白き素肌を細い指でなぞり君に溶けて…

ガラス細工の様に
僕の大事な物は 脆く崩れていった
…ソレを静かに映す…
鏡の中の君は 僕の知ってる君じゃなくて
冷めた言葉の 口に舌を搦めて

青白き素肌を細い指でなぞり君に溶け…

暈なり合う影 氷のような腕 眼を開けて答えて
君の苦しみを僕に与えてよ …君はそこで微笑んで…
声を響かせてこの暗闇で 君は蝶に変わり
君の存在が傷口になる だから何処にも…逃げないで…

…籠の中から抜けだせぬ 飛べない鳥が真実に眼を伏せて…

体が凍えるようだ 感覚を貫く痛み
症状が加速してゆく
心臓、両腕、両目、神経の通う全てを
ナイフで切断して 痛み和らげようか…

傷口から流れる血は赤く赤い涙に似て…

暈なり合う影 氷のような腕 眼を開けて答えて
君の苦しみを僕に与えてよ …君はそこで微笑んで…
この一粒の薬で君と同じ楽園へ逝けるから

…蝶になる…

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