姫苺/四季彩巡

『さよなら。愛した人。』

姫苺


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『四季彩巡』収録

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  • 始まりは突然ね
    ちょっと洒落たBar 角の席に座って
    「お隣いいですか?」低い声が響き渡るのアナタ

    優しいアナタの言葉
    初めて逢うのに何処か懐かしいわ
    手渡した電話番号
    「わかっているわ…わかっているけれど…」

    アナタを感じる跡は消えなくて
    さよなら出来たら どれだけ楽でしょう

    馬鹿な女だと捨てられない様に
    ただアナタの前では私
    都合のいい女でいるわ
    左薬指 気付かぬ様に目を背けた
    季節はそっとレトロに冬の音を告げた

    今はまだ…
    静かに霞む背中が痛くて
    路地裏の隅 音を立てて震えている

    今は嫌だ…
    アナタの笑顔が消えない
    生涯 忘れられない 夜空に響いた

    『さよなら。愛した人。』

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