尾崎豊/十七歳の地図

はじまりさえ歌えない

尾崎豊


word: 尾崎豊 music: 尾崎豊

『十七歳の地図』収録

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  • ふと目を閉じればアスファルトの道端に
    うずくまり黄昏の影に手を伸ばし何か求めてた
    埃りだらけのビルディング ウイスキーの匂いがするよ
    俺の心の中には求めるものがひとつも映らないよ
    君の弾くピアノ まだ覚束ない
    刺激の強すぎる この街では心が鈍くなってゆくよ
    君を抱きしめ離したくない
    愛の光を ともし続けたい

    カラカラに乾いた喉 へたばるまで走るのかい
    ひとりぼっちの汗は誰の眼にもとまらない
    蒸し熱い倉庫の中で 30分の休憩をとり
    つめ込むだけのメシを食べて
    届かない窓に手を伸ばしている
    なけなしの金のためのアルバイト
    楽しくやるには この街では金だけがたよりだよ
    君のためなら死ねるさきっと
    愛こそすべてだと 俺は信じてる

    この街じゃ俺達 まだまだ世間知らずさ
    情熱は空回りの 把みどころのない影
    走り出してはいつも 路頭に迷い込んで
    把むものも何もなくて はじまりさえ歌えない俺がいる
    辿り着くといつも最終の電車
    酔いどれのひとり言は この街では欲望に崩れてゆく
    この街から君を守りたい
    愛の光を ともし続けたい
    君を抱きしめ離したくない
    愛の光を ともし続けたい

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