ぽつりと咲いた柘榴一つ 蜜滴るは絶景の園
何一つと流すことの無い 爛れた夕暮れに溺れその瞳閉じる


ぽつりと咲いた柘榴一つ 涙滴るは絶望の底
何一つと声を上げられぬ 僕は喉笛を噛み千切られた鴉


全てを嘘で塗り固めた 僕の無表情の笑顔
奪い、奪われ果てた今、残る猜疑心の末路


優しさの陰で膨らんで行く僕の
焦げてくすみ切った愛は君に届かない
全てを焼き付け、刻み付けた筈なのに…
「忘れてしまえば良い」と逃げただけ…


さよならが言えず…


悲しみの陰で膨らんで行く僕の
嘘であって欲しいと靄に縋る愛
僕を壊していく君のその笑顔が
忘却の足を掴んで離さない


潰れ腐り尚咲き誇る柘榴

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