「あの子が欲しや、その子はいらぬ」
花は一匁 勝てど負けども 通りゃんせ
行きはよいよい帰りはこわく
足踏み入れし細道 心許無し啼く啼く鴉
「後ろの正面…だあれ?」
ぐぅるぐるぅぐらぁり 輪廻ルマ輪ル六道ヘ
囲めや屈め 夜明けの晩に
誰そ彼の彼は誰 眩み惑い目瞬き
暮れ六つの朱染め 手と手と手と手とで…
壱 弐 参 肆 伍
陸 漆 捌 玖 拾
壱弐ノ参拍子
「そなたはいらぬ、その子は欲しや」
花が一匁 勝てど負けども 底抜け
なべなべそこぬけの 底無きは
わらわ蛆 掻き毟り 帰り路を御忘れ泣く泣くも
「煮えたか如何だか…まだ?」
ぐぅつぐつぅぐらぁり 泡立ち煮え立てば
髄まで喰らう 鬼さん此方
夕闇交じ入るは 彼岸と此岸の境
「おいでませ、ごゆるりと」 手と手と手と手とで…
誰そ彼の彼は誰 眩み惑い目瞬き
暮れ六つの朱染め 暮々は禍々し逢魔刻
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